毎日王冠・GU(1998年10月11日・東京・芝1800m・良);1番人気(1.4倍)1着
着順 枠番 馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 上がり 人気 厩舎 1 2 2 サイレンススズカ 牡5 59 武 豊 1.44.9 − 35.1 1 橋田 2 4 4 エルコンドルパサー 牡4 57 蛯名 1.45.3 2+1/2 35.0 3 二ノ宮 3 7 7 サンライズフラッグ 牡5 58 安田康 1.46.2 5 35.2 4 安田伊 4 1 1 プレストシンボリ 騙7 57 岡部 1.46.3 3/4 35.6 8 藤沢和 5 6 6 グラスワンダー 牡4 55 的場 1.46.4 クビ 36.3 2 尾形 6 8 9 ビッグサンデー 牡5 58 宝来 1.46.4 クビ 36.3 6 中尾正 7 5 5 ランニングゲイル 牡5 58 柴田善 1.46.5 クビ 36.2 5 加用 8 3 3 テイエムオオアラシ 牡6 57 福永 1.46.8 2 36.3 7 二分 9 8 8 ワイルドバッハ 牡6 57 M.ロバーツ 1.48.4 10 37.6 9 元石
| 単勝 | 2 | 140円 |
| 複勝 | 2 | 100円 |
| 4 | 130円 | |
| 7 | 280円 | |
| 枠連 | 2-4 | 320円 |
| 馬連 | 2-4 | 330円 |

今秋最大目標である秋の天皇賞に向け、毎日王冠をステップレースに選択した。そして、当時無敗の○外
怪物2騎グラスワンダー、エルコンドルパサーも参戦し、GT以上の盛り上がりを見せた。ハイペースで逃げる
サイレンススズカを4コーナー当たりで捲くり気味に的場・グラスワンダーが襲いかかる。それを見て蝦名・
エルコンドルパサーも追い出しにかかる。しかし、武豊・サイレンススズカの手綱はピクリとも動かず後続を
引き付ける。直線に入ってようやく追い出しにかかると再び後続を突き放し、長期休養明けのせいか
グラスワンダーはズルズル後退する。エルコンドルパサーは懸命に追い上げるも2馬身半に詰め寄ったところが
ゴール。超ハイペースで逃げた馬が35.1秒で上がっては後ろの馬は届くはずがない。ここに無敵
サイレンススズカが誕生し、見る者全てを震撼させた。レース後に見せたGUでは異例のウイニングランが
まさか最後になるとは、誰が想像しただろう。

●週刊Gallop レース速報より
サイレンス開詮。天皇賞。〜シュポ〜ンと逃げ切り6連勝
スピードまかせではない偏差値の高い逃げ切りだった。1998年、無傷の6連勝で重賞5連勝。
サイレンススズカ(牡5/橋田満)の逃亡距離は10キロを超え、1万1400mになった。不満があるとすれば、
東京開幕、絶好芝での1分44秒9ぐらいだが、これだってネーハイシーザーの日本/コース/レースの、
"3冠"レコードにコンマ3秒差だから、十分だろう。4歳の外国産2騎。エルコンドルパサーは2馬身半差2着、
グラスワンダーは1.5秒差で5着、どうやら中距離の日本一は内国産馬、天皇賞は守られたはずだ。
王冠は栓抜きでシュポ〜ンと抜けた。トライアルの残りは1週。11月1日、天皇賞。武豊はこの馬でGTを
勝っていない。だからこそ、の教育的逃走に見えた。さあ、秋の盾を連勝だ。
●週刊Gallop ドキュメントより
速い、強い。サイレンススズカを表現するにはこれで十分だ。エルコンドルパサーもグラスワンダーも
及ぶことのない、速さと強さだった。今年に入ってここまで5連勝。宝塚記念でGTウィナーの仲間入りを
果たし、迎えた秋初戦のこのレースも、やはりスピードの違いで逃げ切った。
「うれしいですね。きょうはできる限りゆっくり行きたかったんですよ。こういうレースができたのは収穫です。
レース前も落ち着いていたし、うまくいきましたね」
千を57秒7
武豊も手放しで賞賛する完璧無比な勝ちっぷり。1000m通過は57秒7で、たとえオープンといえども
普通なら暴走ペースになるが、この馬に関しては違う。「ためて逃げるのでもなく、力んでガンと行くのでも
ない。普通なら止まるハイラップなのにね。競馬のコツを馬が覚えているよ」と岡部幸雄が口にすれば、
2着エルコンドルパサーの蛯名正義も「次元が違う」と脱帽する。円熟の極みに達したベテランと、東の
リーディング男が認める稀代の逃亡者。次走はもちろん天皇賞だが、その後の海外遠征プランも明言された。
「暮れになるか、来春になるかは、オーナーサイドと相談してからになりますが、海外に挑戦させるつもりです。
欧州と米国では米国の方が向く、という考えはありますね」
キッパリと口にした橋田満調教師の視野には、すでに天皇賞以降のことが見すえられている。そしてその
鞍上には、昨年暮れの香港遠征で、「この馬、走るわ!」と素質に驚嘆して以来、その主戦の座に就いた武豊。
今年の重賞は18勝目となり、昨年マークした最多記録にあと1勝と迫った。さらに、自身3度目となる4週連続
重賞勝利。毎週がユタカ・ウィークとなっている。
13万ファン
「やっぱり、トライアルは勝って本番に行きたいですからね。来週もいよいよダービー馬に乗れるし、頑張りたい
ですよ」
ローズSのファレノプシスに続く、お手馬での好発進。今週の京都新聞杯にはスペシャルウィークも控えている。
新記録となる5週連続重賞勝利もほぼ確実だ。この日は「GT以外はしないんだけど」というウイニングランも、
13万ファンのためにサービス。「お客さんも盛り上がっていたんでね。もっと僕たちが盛り上げなくてはいけません
し、天皇賞でもファンの皆さんを沸かせたいですね」とニクイばかりの心遣いを見せた。「天皇賞へのステップ
として、いい踏み出しだったと思います。宝塚記念を勝たせていただいていますし、距離の不安はありません。
あとは順調に持っていくだけです」
真の日本一となるための天皇賞に向けて、橋田調教師も自信を隠さない。3強対決と称された近年屈指の
好カードも、終わってみればサイレンススズカの独壇場。人馬の圧倒的な記録と記憶だけが残った。GT
シーズンに向けていよいよエンジン全開の武豊と、空前の”ターボエンジン”を搭載したF1サイレンススズカ。
秋本番、真打ちコンビの鮮やかなパフォーマンスで、競馬の秋の訪れを告げた。